狼牙の響・世界観概説2

 和風ファンタジー『狼牙の響』の世界観解説その2。

狼牙の響・こぼれ話

 少々無茶をさせても平気な主人公を書きたい。これが、不死身の主人公キャラ『狼蘭(ろうらん)』の生まれた理由です。
 ……いや、実際問題、自分の創作物語内でしばしば主人公に無茶をさせているんですよね、子智さん(苦笑)。その際たるものが、子智さんのもう一つの創作物語『明日の風に ~MATHE LAND'S SAGA~』の禎理(ていり)君、なのですが、それはともかく、そうやって作られたキャラクターである『蘭』を色々動かしていくうちに楽しくなってきた結果として、『狼牙の響』シリーズができました。
 なお、、『狼牙の響』が(自称)和風ファンタジー的設定になっているのは、『明日の風に』が西洋風だから、ではなく、蘭を考えた当時の子智さんが『時代小説(特に隆慶一郎氏の小説)』に『はまっていた』からです(笑)。

 その昔、時の為政者に追われた『能力者』の兄妹が『狼』と契約を結ぶことによって得た安住の地『狼谷』。その兄弟の末妹であり、稀代の『巫女』であった少女『狼明』の暗殺悲劇を繰り返さない為に、『不死身』の能力を持って生まれてきた女『狼蘭』が、『狼谷』と『巫女』を守る為に世界中を駆け巡る『年代記』。それが『狼牙の響』シリーズです、が。
 ……実は、蘭の『不死身』の性質について作成者自身頭を抱えていたりしております。
 一応、致命傷くらってもそう簡単には死なないようにはなっておりますが、その後の行動と回復に『気力』を消費するので、全てが終わった後でしばらく気絶していることもあるようです。毒も薬も勝手に身体が無害化してくれるようになっている筈なのに、新種の毒には気力で対応していたり(『免疫』のシステム、になるのかな?)。
 身体を焼かれても一定時間で復活するし、溺れても、そのうち水面上に身体が(少々グロテスクな形で)浮かんでくるので問題ない(と蘭自身は思っている)のに、首を切られると身体全部がが腐りきるまで復活不能だというある意味片手落ち的な設定だったり(だから『首』のような物語が成り立つのですが)。
 ……あ、一応、『男をその身に受け入れること』が禁忌になっております。
 この設定の所為で男をたぶらかすことができないのが蘭としてはつらい、のかな、多分?
 ちなみに、蘭の首と胴を切り離して、その首を胴体の足元に置いて埋葬すれば復活しない、という、ある意味吸血鬼的な設定もあったりします。

 狼谷一族内には『蘭』は一人だけなのですが、一応『年代記』ということで、他の登場人物は同名でも別人であることが多いです。……ま、当たり前か。みんながみんな蘭のように不死身じゃある意味変だもんね。
 ところで、『狼谷』には、『継承名』というものがありまして、巫女だったら『明』、谷の長なら『天』といった具合に、代々受け継がれる『名』というものが存在します。だから、巫女は『明』って打っとけばどの物語の巫女でも表記できるもんねー……って、自分の仕事を簡単にする為の設定かいっ!
(ただ単に、そんなにたくさんの人物設定を作るのが面倒だという理由もある)

 色々と、作者本人も詰めていない部分がある物語ではありますが、今後ともよろしくお願い申し上げます。