狼牙の響・世界観概説1

 和風ファンタジー『狼牙の響』の世界観解説その1。

狼牙の響・世界観概説

 昔々、とある所に、『必ず一つの能力を持って生まれる』一族が暮らしていました。
 その力の為、彼らは他の人々から恐れられ、迫害されるのですが、その一族の中に、険峻な山々に囲まれた谷に逃げ込み難を逃れた七人の兄妹がいました。この物語は、その兄妹達から続く一族の行動や『生き様』を綴った物語が『狼牙の響』シリーズです。

 この物語のキーワードはもちろん、『狼谷一族』。
 七人の兄妹が狼の手を借りてこの隠れ谷に辿り着いたので、一族の姓を『狼(ろう)』と定めたこの一族は、自然から予兆を読み取り、未来を占う『巫女』を敬い、彼女を中心とした社会を形作っています。その巫女と『狼谷』を守る為にいるのが『盾となる者』です。

 『盾となる者』狼蘭が持つ能力は『不死身』。
 この能力の為、永遠に十八歳のままである彼女が『狼谷』の為に (たまにそうでないときもあるが)世界中を駆け巡る物語が『盾となる者』になってます。多分。
(たまに蘭が子智さんの頭の中で暴走を起こす為、ちょっと自信がない)

 世界観、としては現実の『歴史もの』に近い感じがします。
 ……魔法や異世界生物なんかもあんまり出てきません。
 どちらかというと、『出来事』よりも『人』を書きたい物語です。

 で、『狼谷』があるのは『ホーシュン(宝春)大陸』なのですが、『狼谷世界』にはこの他に、南北に長い大陸『アウオード』と北から日の射す大陸『シェシャン』、そしていくつかの島々が存在します。
 時代が下るにつれ、狼谷の人々はどんどん世界中に散ってゆくのですが、どこにいても『一族としての連帯』を保とうと、大陸などの重要な拠点に『長』を置くようになります。
 その『長』たちには、彼らだけが名乗れる『名前』が有り、それが代々の『長』たちに継がれていくのですが、そんな『長』たちの生き様を描いたのが『名を継ぐ者』という物語になる予定です。
(まあ、『盾となる者』のほうが絶対に終わりそうもないので、『名を継ぐ者』も『盾となる者』に吸収合併されそうな気がしますね(笑))